【医師主導治験】小児の腸管不全関連肝障害(IFALD)を対象とした魚油脂肪乳剤「Omegaven®」の治験実務終了のご報告

2026.02.22

当科の和田基教授および東北大学病院総合外科・小児外科グループが取り組んでまいりました、未承認薬「魚油由来静注用脂肪乳剤(Omegaven®)」の小児腸管不全関連肝障害(IFALD)に対する医師主導治験(第III相試験)について、大きな節目を迎えましたことをご報告いたします。

2025年12月11日、目標としていた20例すべての症例登録、治験薬投与、および後観察期間を無事に終了し、治験の実務プロセスが完了いたしました。

■ 本治験の意義と背景 小児の腸管不全において、生存に不可欠な静脈栄養(PN)で使用される従来の大豆油由来脂肪乳剤は、重篤な肝障害(IFALD)を引き起こす原因となることが知られています。 これに対し、魚油を原料とするOmegaven®は、肝障害の抑制や必須脂肪酸の補給に極めて有効とされ、海外35カ国以上で承認されています。しかし、日本では長らく未承認の状態が続き、日本の小児医療における大きな「ドラッグ・ロス」の一つとして、早期の薬事承認が切望されてきました。

■ 今後の展望 本剤は、2025年5月の厚生労働省「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」においても、開発の必要性が特に高い医薬品として評価されています。 今回、医師主導治験の実務が完了したことで、国内での薬事承認申請および保険適用に向けた動きが大きく加速します。これにより、アンメット・メディカル・ニーズ(未だ満たされていない医療ニーズ)が解消され、全国の小児腸管不全患者さんの生命予後およびQOL(生活の質)が劇的に改善されることが期待されます。

これまで本治験にご協力いただいた患者さんとご家族、ならびに関係諸機関の皆様に深く感謝申し上げます。当科では引き続き、最先端の研究を通じて、子どもたちの未来を守るための医療革新に邁進してまいります。


【詳細情報(プレスリリース)】 本治験の詳細については、以下のプレスリリースも併せてご覧ください。

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