橋本昌俊医師が「第12回遼太郎ちゃん基金優秀論文賞 原著部門」を受賞しました。

2024.01.04

 2023122日、第50回日本胆道閉鎖症研究会が順天堂大学小児外科 山高篤行会長のもとで開催されました。同研究会にて、橋本昌俊医師が執筆し、Medical Molecular Morphology誌に掲載された論文 “Necroptosis in biliary atresia of the liver”が第12回遼太郎ちゃん基金優秀論文賞 原著部門を受賞されました。

 遼太郎ちゃん基金は約30年以上前に胆道閉鎖症患者さんが渡航肝移植を受けるために全国から集まった募金をもとに作られました。その後、ほとんどの症例が国内での肝移植が可能となったため、現在では胆道閉鎖症の病因・病態の解明および治療成績の向上に関する研究を助成することを目的としており、これまでも当科から複数の受賞者を輩出してきました。

 今回は昨年度の大久保龍二助教の症例報告部門に引き続いての受賞であり、今後も当科では胆道閉鎖症患者さんのさらなる治療成績向上のため、研究活動を続けてまいります。

 

橋本医師コメント

「今回の研究で、アポトーシス、ネクローシス以外の新たな細胞死であるネクロプトーシスが胆道閉鎖症でも起きていることが明らかになりました。本研究では当科で保存されていた多くの胆道閉鎖症患者さんの病理検体を使用させていただき、提供していただいた患者さんならびに東北大学小児外科の先輩方に大変感謝しております。ありがとうございました。」

 

Hashimoto M, Fujishima F, Lomphithak T, Jitkaew S, Nio M, Sasano H. Necroptosis in biliary atresia of the liver. Med Mol Morphol. 2021 Dec;54(4):305-315. doi: 10.1007/s00795-021-00289-3. Epub 2021 Jun 22. PMID: 34159444.

 

また、同研究会では50周年記念講演として当科の前教授であり、胆道閉鎖症研究会の事務局代表を長く務められた仁尾正記先生が「胆道閉鎖症:これまでの50年、これからの50年」と題する講演をされました。我々の大先輩であり世界で初めて胆道閉鎖症の手術を成功させた葛西森夫先生に始まり、胆道閉鎖症全国登録制度を発足させた大井龍司先生、そして仁尾先生と長年にわたって胆道閉鎖症患者さんの治療に尽力してきた諸先輩方の努力と苦労を改めて実感し、今後のさらなる治療成績向上に向けての決意がより強くなる講演でした。

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