佐藤皓祐先生の研究論文が『Cell Reports』誌に掲載されました。

2026.08.25


2026年8月25日、当教室 佐藤皓祐先生による免疫学分野での研究成果が、Cell Press社が発行する国際的学術誌『Cell Reports』誌に掲載されました。
 

腸管における虚血再灌流障害において、これまで自然免疫系細胞が病態増悪因子として知られていましたが、獲得免疫系であるT細胞の寄与については不明でした。本研究では、本学免疫学分野より近年報告された、メモリーT細胞と類似の形質を持ちながら自然免疫応答を惹起する新規「Memory-phenotype CD4+ T細胞」(以下MP細胞)が、腸管虚血再灌流障害の病態を増悪させるメカニズムについてマウスモデルを用いて探求しました。

その結果、虚血後の腸管で発現が増加したMAdCAM-1に応答してMP細胞が迅速に粘膜固有層へ集簇し、IL-12反応性に好中球遊走因子(CXCL1/2)を上方制御して好中球の組織動員を促すことで、組織損傷を増悪させることが解明されました。また、この病態は腎臓では認めない一方、肝臓でも惹起される可能性が示唆されました。

本研究結果より、MP細胞が腸管の虚血性疾患ならびに移植医療におけるドナー臓器に生じうる虚血再灌流障害において、新たな治療標的になる可能性が期待されます。


本研究は日本免疫学会 免疫学博士課程学生支援「きぼう」プロジェクト(岸本忠三・若手研究者育成事業)の支援の下、筑波大学 免疫学教室との共同研究として遂行されました。ご指導、ご協力いただきました皆様に心より感謝申し上げます。

 

【論文情報】

Kosuke Sato, Shunichi Tayama, Akihisa Kawajiri, Jing Li, Ziying Yang, Ryoji Mitsuwaka, Feng Gao, Natsuki Asami, Reoka Aoki, Hiroyuki Nagashima, Kenshiro Matsuda, Chigusa Nakahashi-Oda, Yoichiro Iwakura, Akira Shibuya, Motoshi Wada, Naoto Ishii, Takeshi Kawabe . Circulating memory-phenotype CD4+ T cells rapidly accumulate in the ischemic gut to exacerbate tissue injury in an innate manner​. Cell Rep. 2026 Jul 29;45(8):117745. doi: 10.1016/j.celrep.2026.117745.

 


  • Graphical Abstract
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